芸能人に向けられる目が厳しくなっている
最近は毎日のようにワイドショーやニュース番組で、芸能人の女性問題や薬物問題、暴力事件などが取り上げられ、執拗に報道されることが増えてきました。
かつては不倫は文化発言などでごまかせ、知らぬ顔してやり過ごすこともできました。
ですが、最近の傾向として不倫は社会的に許されない行為という風潮が高まり、浮気がバレれば、すぐにでも謝罪会見を開かなくてはなりません。
配偶者の一方が許してくれればよいですが、妻子持ちとは知らずに付き合ったばかりに、ほとぼりが冷めるまで休業せざるを得なくなった芸能人もいます。
復帰すれば、不倫ネタを武器にできるとはいえ、これまでのようなクリーンなイメージがなくなります。
どう受け入れられるかは未知数であり、やはり生き残れるかのリスクは高まらざるを得ません。
女性への暴行事件やわいせつ行為などを起こせば、引退はもはや免れません。
最近増加している覚せい剤や大麻などのドラッグ使用も、逮捕されて犯罪歴が付くのはもちろん、過去の時代とは異なり、もはや復帰は難しいでしょう。
問題は早いうちに摘み取る
芸能人の素行に対する社会への風当たりが強くなっている以上、芸能事務所としてはリスク管理が不可欠になります。
いざ問題が発覚してしまえば、問題解決の収拾に追われるとともに、本人に事情を聞いたり、謝罪会見を開いたり、その後の処分などを検討するなど時間も労力も割かれます。
テレビCMの打ち切りやドラマや映画、レギュラー番組の降板など、各関係者とのやり取りにも追われ、巨額の違約金や損害賠償請求をされるおそれもあります。
巨額の損失が発生するうえ、せっかく育ててきた芸能人のその後の活躍も怪しくなり、事務所としては大きな損害です。
事務所やマネージャーの管理が悪いと言われることもありますが、いくらマネージャーでも24時間365日、プライベートな時間まで監視するわけにはいきません。
スマホやネットの利用で、管理の行き届かないところで悪いグループと繋がってしまうリスクも増えてきました。
品行方正な生活を送っているかが気になったときや何か怪しい言動が見られたとき、週刊誌やネットなどで悪い噂がささやかれているときには素行調査をするのも一つのリスク対策になります。
素行調査により、悪い集団と付き合っているとか、怪しげな場所に出入りしている、交際している人に問題があるとわかれば、早めに本人に助言をして行動や生活を改めさせることで、大きなトラブルを防止することができます。
事務所にとっても本人にとってもメリット
芸能事務所と芸能人は信頼関係で結び付いているケースが多いものです。
秘密裡に素行調査を行うのは信頼を損なうかなと不安にもなりますが、むしろ、その信頼が裏切られたときの損害のほうが甚大です。
信頼関係を長く維持するうえでも、問題のない人物であるか、問題のない私生活を送っているか、闇営業などをしていないかを調査することも必要なのではないでしょうか。
早めにトラブルの芽を摘み取って、更なる問題の拡大を防止すれば、事務所の損害も防げますし、芸能人にとっても、活躍の場を失うリスクを回避できます。
場合によっては、契約解除に至らざるを得ない事実が発覚することもあるかもしれません。
その場合も事務所の損害を最小限に抑えることができますし、本人にとっては芸能人をして生きていく夢は断たれたとはいえ、早期に人生をやり直し、更生するチャンスが与えられたと考えることができるでしょう。
最近は誰もが気軽に週刊誌やネットに情報を提供できる時代です。
そのため、芸能人になる前のトラブルが問題を引き起こすことも少なくありません。
事務所で芸能人の卵と契約を結ぶ前に素行調査を行い、クリーンな人物だけを採用するというのも大切なリスク管理になっています。